すねげです。
今回は、公務員における異動・引継ぎのお話をしていきたいと思います。
2,3年に一度のペースで必ずやってくるあいつです。
では、どうぞ。
そもそも何年かけて仕事を覚えるか
これは僕の体感での話になります。
まず、1年目は何も知らなくて当たり前です。
全て手探りで事務を進めていきます。
昨年度のファイルを見ながら「あー、この時期にこれをやればいいのね」
という感じで全体像を把握しておきます。
そして、昨年度と同じペースで事務を処理していき
見よう見まねで1年が終わる、こんな感じだと思います。
そして、2年目になるとちょっとアレンジを加えようという意識になります。
「去年、自分がやった時、この作業に思ったより時間がかかったな。
今年は早めに取り掛かろう」とか
「前任者のやり方よりシンプルに出来る方法があるはず」と改善策を講じてみたり
自分なりの進め方を考えながら作業に取り掛かるようになります。
ちなみに、公務員の仕事をしていく上で好きな言葉があって
「9割の踏襲と1割の改善」
これをモットーに仕事をしていました。
確かに昨年度のやり方をそっくりそのまま再現しても、事業は進んで行くでしょう。
しかし、時代というのは刻一刻と変化していくもの。
その時々に合ったやり方を、新しいやり方を組み入れるのが僕は好きです。
なので僕は、前任者のやり方を改めた方がいいと思った時は容赦なく変えました。
別に前任者のことが嫌いで違うやり方をしてたわけじゃないです!
この方が分かりやすいなと思ったら、やってみるのみなのです。
よく、毎年行われている事業の案内文なんかは、文面は昨年度のものそのままに
日付だけ変えて発送なんてことがあります。
そういうのをそのままにせず、変えるのが好きなんですね〜。
どう考えてもこれ以上シンプルにならない
これが洗練されていると思ったものは手を加えません。
よく、定年間際のおばちゃん職員が仕事でうまくいかなかった時
上司にミスを指摘されると「でも、去年と同じやり方でやりましたよ!」
と言って脳死で仕事している姿に納得いきませんでした。
話がそれすぎました。
というわけで、2年目は少し考える余裕が出ると思います。
そして、3年目になると昨年度のファイルを見返さなくとも
大体いつになったらこれやって、次にあれやって、という状態になると思います。
そんな感じで仕事を大体の感じで覚えるのに3年はかかる!と思っています。
覚えた頃に異動になる
そして、3年の月日をかけて覚えた仕事ですが、来年度もやるとは限りません。
慣れてきた仕事で、負担感も無い仕事を来年度もやれるぞ!と思ってはいけません。
公務員というのは大体3~5年で異動があります。
これが辛いんですね~。
僕は農林課→福祉総務課の1度だけしか異動の経験はありません。
初めて異動が決まったときは、「どこの係になるんだろう?」でした。
課の中でも、係によって忙しさが違うことがあるからです。
そんな心配もしましたが、何より一番残念だったのは
「せっかく覚えてきたところで異動か」ということです。
異動は自分の力ではどうすることも出来ません。
3月下旬にいきなり発表されて、1週間の間で引継ぎの準備をしないといけません。
課長・部長級クラスになると、事前に市長などから打診があって分かるのだとか。
ただこれは噂であり、そうだと言う部長もいれば、そんなことはない、部長も
いきなり言い渡されるんだよという人もいるので真偽のほどは分かりません。
異動が決まり、後任への引継ぎの書類を作成している時は、相当大変な事業でも
ない限り「来年もこれやりたかったな。」という感情で作成します。
今年の反省を踏まえて、来年度の進行はこうやろう!とか思っているのにできない
もどかしさがあります。
その思いは、引継書に記して来年度の担当者に託します。
「新しく覚える」+「後任に教える」の両立
そして、実際の異動や引継の具体的な流れですが、まず年度末(3月25日あたり)に
新しい異動先へと出向いて、現在の担当者からざっくりとした引継ぎをします。
時間にして1、2時間くらいです。
1年間の大まかな流れを、引継ぎ書を見ながら聞いて
特に大事なところは念入りに教えてもらってみたいな感じです。
だからこの時期は、来年度から新しく来る職員さんが挨拶がてら顔を見せにくるので
新鮮な気持ちになります。
「こんな人いたんだ」「この人面白そうだな」みたいな感じで
外野(=異動しない人)は横目に仕事をします。
こうやって新しく覚える作業もあれば、後任に教える作業もあります。
自分が異動先に出向いて、新しく担当する事業の説明を受けるのと同じように
自分の所へも職員が来て、自分が担当していた事業を説明をする作業があります。
年度末のこの時はまだいいんです。
相手の説明にもうんうん聞いて、特に大事そうだなという所をメモして
逆に説明する側のときも、引継ぎ書という台本を読むだけですから。
問題は4月、新年度が始まってからです。
いくら引継ぎ書があるといえど、実際に事務をこなしていると細かい部分とかで
分からないところが出てきます。
その分からないところを電話で確認するなり、言葉だけでの説明が難しいときは
直接来てもらって顔を突き合わせ、書類を見ながらやり方を確認します。
この確認の一連の動作が時間がかかります。その上、4月というのは様々な事業が
同時にスタートしたりして、そもそもこなす事務量が多く大変な時期なんです。
そのことについては、この記事でも紹介していますのでご参照ください。
だから!4月だけはどうあがいても残業をすることが多いです。
不慣れな事業をじっくり確認しながら進め、そんな中で後任からの質問に答え
やることがたくさんあります。
異動もない、担当する事業の変更もないとなると最強のスタートを切れます。
僕は市役所に8年間在籍していましたが、毎年何かしらの変更はありました。
部署は変わらず、担当する事務が変わるくらいならさほど労力はかかりません。
やっぱり異動です。異動が一番メンタルにきます。
事務がちょこっと変わるのが20%の変化だとすると、異動は100%の変化ですから。
というわけで、異動は辛いよ、でした。
まとめ
ここまで、公務員における異動の大変さをまとめてきました。
最初のうちは、初めて経験する部署への異動が多いので、その分新しく覚えることも
多く大変ですが、働く年数が増えてくると、かつて在籍したことのある部署への異動
もあるので、その時は全くの未経験の部署へ行くよりは楽かもしれません。
それに、市役所の仕事というのは全部署共通でやることもあるので
やはり経験年数というのは武器になってくると思います。
僕が農林課→福祉総務課に異動したように、ジャンルが全く違う部署への異動ですが
それでも、福祉総務課では0からのスタートだったわけではありません。
農林課で覚えた仕事の知識が、そのまま福祉総務課でも役立ったことはあります。
なので、この記事を読んでいる初めての異動を控えている皆さん
安心してください。新採用の頃から蓄えた知識を、新しい部署でも発揮しましょう。
逆に覚えた知識を、「ここは違う部署だから、やり方が違うかも・・・」
みたいにならない方がいいと思います。
「前いたとこでは、これはこうやってたんですけど~」みたいな感じで
ちゃんと仕事覚えてるよアピールするくらいでいいと思います。
もしかしたら「お~。こいつは鍛えられてるな~。」と感心されるかもしれません。
そんな感じで頑張っていきましょう。では。