すねげです。
今回は「高速バスの乗車に失敗して大変な目に遭った話①」の続きです。
ヒッチハイクで帰ることを断念して、次の行動に移ります。
では、どうぞ。
最後に頼るのは
ヒッチハイクを断念したすねげですが、この時点で時刻は日曜日の23時です。
明日は仕事…何としてでも帰りたい、追い詰められた僕はある所に向かいます。
はい、交番です。恥ずかしいなどと言っている場合ではありません。
帰宅するためなら何でもします。
交番に入り、お巡りさんに今までの経緯を説明します。
「バスを逃し、所持金も0円、それでいて明日までに青森に帰れる方法はないか」
これを聞いて、さすがのお巡りさんも最初は悩んでいたと思います。
「座って待ってて」と言われ、すみっこで待機します。
見た感じ、ネットで帰れる方法を探してくれているようです。
そして、案外すんなり解決策を見つけてくれました。
どうやら、「お金を持っていなくても新幹線に乗れる」らしいのです。
というのも、例えば東京駅から乗車して新青森駅に向かうとします。
まずは僕が、東京駅の駅員さんに「これから新幹線で新青森駅まで行きたい。
代金は今、新青森駅にいる友達が払う。」と伝えます。
そして、同じタイミングで友達には新青森駅にいてもらいます。
次に東京駅の駅員さんが新青森駅の駅員さんに電話します。
「今、東京駅ですねげさんという方が、新青森駅にいる友達の〇〇さんに
代金を払ってもらって乗車しようとしている。間違いないか」
みたいな電話をします。
そして、新青森駅にいる友達に代金を支払ってもらったら手続きは完了です。
東京駅の駅員さんが「確認がとれました。切符を発行します。」としてくれます。
結果から言うと、僕はこの方法で帰ってきました。
お巡りさんから「この方法でどう?」と聞かれ、秒で承諾、友達に電話をしました。
「こうこうこういう理由で明日の朝5時くらいに新青森駅にいてくれ!
んで新幹線代を立て替えてくれ!」
こういう電話はもうしないと思いたいです。
友達から了承を得たところで、今いる交番から大井町駅への道案内をされ
東京駅に行くには何番線だよ!と教えてもらい、交番をあとにしました。
大井町駅から東京駅まではSuicaの残高で行くことにしました。
さすがお巡りさんは頼りになるな~!と思いながら大井町駅を目指します。
終電まで10分くらいだったので急ぎます。
終電3分前について、ギリギリだなと思いながら駅に入っていきます。
記憶では乗り場が2つしかなく、ホームに降りていくエスカレーターも2つしか
なかったのですがここで問題、さっきお巡りさんに教えてもらったホームを
どっちだか忘れてしまいます。
「こうなったら勘で降りてやる!」とエレベーターを降りていきます。
降りたあたりで反対側のホームに終電らしき電車が見えました。
「うわっ!2分の1外した!」急いで来た道を戻り、反対側へ向かいます。
そして、反対側のホームに着くと、そこにはもう電車の姿はありませんでした。
泣きそうでした。
もう一回交番に駆け込んで「おまわりさ~ん泣」しようかと思いました。
とりあえず駅から出て、交番の方を見つめます。
いや、あれだけ教えてもらって「すみません。乗れませんでした。」は恥ずかしい。
歩いて東京駅に向かう!そう決心したのでした。
夜の東京を彷徨う
大井町駅から東京駅まで歩くと決めた僕ですが
このときスマホの充電はなくなっています。
モバイルバッテリーを買うお金もありません。
ナビアプリを起動することもできません。
どうしたかと言うと、「案内標識を頼りにする」でした。
駅を出て周りを見渡すと
横浜←→品川
みたいな青い案内標識が目に入りました。
「横浜向かったら逆戻りだし、品川って書いてある方に進めば都内行けそう」
という感じで歩いて行きました。
しばらく歩いていると、新しい交番を見つけます。
初見の交番・・・さっきと違って気にすることなくお巡りさんに質問ができます!
す「東京駅に向かっているんですが、どっち方面に歩けばいいですか?」
と聞くと、交番を出て右にひたすら真っすぐだよとか
あの線路沿いを伝っていくとたどり着くよとか教えてくれます。
これを新しい交番を見つけるたびに繰り返して進んでいきました。
この方法でひたすら歩いている途中で印象に残っている出来事があります。
この話は、時期的に夏で夜といえどとても暑い日でした。
そんな中を飲み物も飲めずにひたすら歩いていました。
すると、「安心お宿」というビジネスホテルの前を通りかかったとき
「宿泊客以外にも無料で水提供中」
という看板が目に入ります。
汗だらだらで見た目も臭いもひどいことになっていましたが
なりふり構わずに入りました。
す「水をください」
すると紙コップを手渡され、あちらでどうぞ、とセルフサーバーを案内されます。
無心で飲みました。2、3杯は軽く一気に飲んだと思います。
これで一気に気力が回復しました。
「ありがとうございました」と告げ、帰ろうとすると店員さんが
「良かったらこれもどうぞ」と、500mlのペットボトルの水をくれました。
この神対応には感動してしまいました。
無料サービスの提供だけでは終わらない心配り、なんていいホテルなんだー!
元々「安心お宿」は、遠征のたびに使うホテルのローテーションの一角を
担っていたのですが、この件以来、安心お宿をヘビロテしています。
そんなこんなで夜の東京を4時間かけて歩き回り、出会うお巡りさんにひたすら道を
尋ね、ついに東京駅にたどり着きました。時間は朝の5時近くです。
感動の乗車
東京駅に着いたのですが、午前中に帰るには始発の新幹線で帰る必要があります。
そのことについては、最初に出会った大井町の交番の電話で友達に伝えてあります。
なので、朝の6時くらいには新青森駅にいてくれているはずです。
ただ、電話の充電もない、所持金もガチで1円もない状態なので公衆電話を使って
とかの到着の確認がとれません。
もう着いていることを前提に駅員さんに話しかけます。
す「新青森駅に、これから僕が乗る新幹線代を立て替えてくれる
〇〇という人物がいます。」
というと、確認のために駅員さんは電話をしはじめました。
「新青森駅に電話してるんだべなぁ」と考えたりします。
ただ、その電話がやたら長く、「あれ?もしかしてまだいない?」とかすごく不安に
なっていったのを覚えています。
待つこと20分くらい、駅員さんが戻ってきて
「確認がとれました。これから乗車券を発行します。」
やりました。これで新幹線に乗れます。苦難の道も終わりが見えてきました。
手書きの乗車券(確か)を改札にいる駅員さんに見せ、通過、乗車します。
近くの席の人に「汗臭くてすみません。」と心の中で3時間思いながら
新青森駅に到着します。
到着すると、お金を立て替えてくれた友達と合流、行きはバスだったため
車で送ってもらいます。
この友達には後日、焼肉をごちそうしました。
午後からの出勤もなんとか間に合いました。
以上でバスに乗れなかった話は終わりになります。
この件以降、東京に遊びにいくときはそれまで現金だけ持参スタイルだったものを
クレジットカードも持ち歩くようにしました。使ったことはありませんが。
皆さんも、可愛い子に気を取られ、時間ギリギリまで遊んでしまうと
暑い真夏の夜を4時間も歩き回ることになりますのでお気を付けください。
ではまた。